第3回整形外科リハビリテーション研究会内容報告
1991年10月19日(土)岐阜市黒野平成医療専門学院にて
「膝関節」についての症例検討会
1.平野総合病院、理学療法士、山本先生より、左膝ACL断裂、左膝MCL断裂、左膝内側半月板損傷、左膝ACL断裂、左膝LCL断裂、の症例が呈示された。この症例では左膝ACL断裂、左膝LCL断裂については順調な機能回復を見たが、左膝ACL断裂については陳旧化し、augumentation法(腸脛靭帯をLeeds一κeio人工靭帯で補強)による再建術が行われた。今回の問題として(1)再建術後の膝伸展障害(2)膝屈曲時の膝窩部痛(3)両側膝ACL断裂という事による、今後の筋力トレーニングの3点が呈示された。検討内容として、Drから手術についての説明が行われた後。augumentation法について文献資料を配布し基本的事項の確認を行った。その後、伸展制限については、伸展運動に伴うlocking mechanismの治療への応用、伸展に伴う下腿回旋軸の変位(文献)を理解してのmanual therapy、またLCLの後方線維短縮に対する靭帯へのstretchingが提案された。またDrよりpatellaの上方変位による障害の確認を提案された。膝屈曲時の膝窩部痛については、半月坂損傷を合併していることから、肉芽による半月板の移動障害が推察され、mild resistive ROM exercise(東海北陸PT学会にて浅野が報告予定)が提案された。今後の筋力トレーニングについては、extenion lagについて、内側広筋の強化、特に、電気刺激を併用してのトレーニングが提案された。また、open kinetic chainでのトレーニングに固執せず、closed kinetic chainのトレーニングの増大が提案された。
2.岐阜リハビリテーション病院、理学療法士、林先生より大腿骨骨幹部骨折(粉砕型)の症例が呈示された。この症例は、現在膝屈曲135゜であり、正坐を獲得するためのトレーニング、また、仕事柄、登山が必要であり今後を考慮した筋力トレーニングについての留意点が問題として呈示された。ROMについては、patella tendonのelongational functionの低下、また、中間広筋の癒着が問題となり易く、これら部位に対する治療の応用が提案された。筋力低下についてはやはり、closed kinetic chainのもと、やや、tonicな筋機能を刺激しつつ、段差などを変化させ、瞬発力的要素を組み合わせてのトレーニングが提案された。
3.松本義肢製作所より各種膝装具の呈示が行れ、参加者は思い思いに各装具についての意見交換が行われた。書面を借り、御礼申し上げる。

一肢症例検討

1.国立津病院、理学療法士、岸田先生より第1回本研究会で呈示した上腕骨骨折症例についての臨床結果が報告された。浮腫に対する徹底治療、および、筋収縮機能向上のための治療を行い、肘関節ROM5〜135゜と優れた治療成績を達成した。本研究会の主旨である「一例を治すための討論」が果たした有意義な結果と思われた。

2.岐阜リハビリテーション病院、理学療法士、林先生による発表「発症年齢より見た大腿骨頸部骨折(102例についての検討)」が行われた。内容として、内側骨折に比べ外側骨折の高齢化傾向、また、その根底に存在するosteoporosisの関わり、同時に、80才代の外側骨折の歩行を合めたPTとしての取組に問題点を呈示した。

*次回は11月16日(土)四日市市民病院にてPM4:00〜開催することを決定した。また、今回分の資料の残りについては、来月の研究会時に希望者に提供する。

以上