第5回整形外科リハビリテ‐ション研究会内容報告
1992年1月18日(土)松本義肢製作所会議室にて

1特別講演要旨
 平野総合病院整形外科部長、東隆雄先生より「変形性膝関節症の診断と治療」のテーマにて御講演を頂いた。変形性膝関節症(以下膝OA)の型分類と頻度については、1242膝の検討にて日本人では内側型(41.9%)、内側膝蓋型(19.6%)の順に多く、その他は2%前後であるとの説明があった。また、膝OAのGradeについてOp適応となるのはGradeV以上であること、同時に、膝OAに関する発生機序についても簡単な説明があった。治療については、今回特に手術療法についての説明を頂き、主として骨切り術、人工関節についてその適応、また自験例をもとに失敗例の提示を頂き、興味深く聞くことができた。その後の質疑応答でも、各先生から活発な意見交換があり、臨床上大変役立つ有意義な時間であった。お忙しい中御講演の労をお取りいただいた東隆雄先生に書面を借り御礼申し上げる。

2 症例検討会内容報告
 国立津病院、理学療法士、岸田先生よりRAの診断にて両側TKRを施行した症例が提示された。今回は、ROM、Stabilityともに大変優秀な成績が得られたため、紹介を含め報告された。術前ROMはRt20゜〜100゜、Lt15゜〜105゜、使用機種はMGUであった。最終的にROMはRt0゜〜145゜Lt0゜〜150゜にて、20Cm台からの立ち上がりも可能となった。ROMについてはop中の手技的間題(Soft TissueのRelease等)もあるが、拘縮を発起する因子の徹底的な予防、筋力強化により素晴らしい成績を報告していただいた。今後は、この症例を長期的にフォローしてもらい、m0BilityとStabilityという相反する機能を必要とする関節におけるTKRの位置付けについてまた報告を期待する。

 岐阜リハビリテーション病院、理学療法士、林先生より同じくRAの診断にてTKRを施行した症例が提示された。この症例は術前ROM30゜〜130゜、FTA155゜の著明な外反膝を呈していた症例であった。術後ROM5〜120゜、FTA175゜にて枝なし歩行可能で、特に間題は認めていない。ただ、膝屈曲可動域が120゜で止まったことに関して、Pateilaの厚さの間題が提案された。術前17mmが術後20mmと3mmの違いを認め、膝屈曲に伴う円周の間題がROMを制眼したのでは?との考えが提案された。もう一つの間題提起として、ROMの良いTKRにおける筋力トレーニングが提案された。これには、単純なQuadricepsのトレーニングだけで無く、下腿のRotational Instsbilityを考慮したLeg Rotatorの治療、またEMSによるトレーニングも提案された。多関節罹患を特徴とするRAにおけるTKRは、一関節のみの狭い見方をせず、トータルなAlignmentを考慮したトレーニングが必要である。

 碧南市民病院、理学療法士、浅野先生より変形性足関節症の症例が提示された。この症例はROMはn.pであったが、荷重痛が大きな間題であった。この痛みに対し、テーピング、バンテージ式の装具にて対処し若干の軽減は得られるが、長時間となるとかなり困難であるとの報告であった。この痛みは関節内に原因があると恩われ、足関節のAlignment矯正は一つの治療と考えられる。そのため、過剰なストレスを抑える目的での装具が提案された。既成のものでは不十分な矯正カとなるため、特にFibula、Talus、Navicular等、ポイントをもう一度検索し試作してみてはどうかと提案された。ただX線上骨破壊は高度であり、完全な除痛は不可能なのではと考えられた。

 今後の研究会の会場は、当分の間松本義肢製作所会議室にて続けていく事を決定した。今後とも、多くの参加者をお待ちしています。

以上