第15回整形外科リハビリテーション研究会報告
1993年2月20日(上)松本義肢製作所 5階会議室

木村病院 理学療法士 神山先生より『股関節由来の肢行−a1ignmentを中心に−』について1ectureがあった。X−pのAP像での形態上の計測と、それに関連して出現する股行について説明があった。中心となったのはTrenderen burg歩行であった。筋力のみでは解決のつかないこともあり、体重比や、ポシショニングなども十分に考慮する必要があるとのことであった。floorよりTrenderen burg signがあるのだが、支持脚に他側の下肢を接しておくと消矢することと、体幹を回旋させると歩容が良くなったのは何故かとの質間があった。前者については重心が患側によるという事と、内転筋の作用によるものであろうとの意見であった。内転筋の作用については最後に模式図を示す。後者については相対的に下肢の内旋位をとるため、筋活動が高まるためという意見が出された。これについては理学療法学に載っているので参考にするとよい。 (文責:岸田)

 中殿筋の弱い場合の片脚立位では反対側の骨盤が落下する。Aのモデル反対側の足部を患側下腿につけ更に内転筋を働かせると反対側の骨盤が挙上するBのモデル;辺abと辺bcとの問に収縮要素があり、これが働くと∠abcは小さくなる。すなわちbはaよりも挙上位となる。(図・説明浅野)

 平野総合病院 理学療法士 小野先生より右大腿骨骨幹部骨折の症例提示があった。primaryな観血的治療ではCHSを行っており、適応外ではないかとの指摘もあった。螺子がさほど有効に作用していないように思えた。その後再骨折を起こし、CHSはそのままでp1ateをさらに当てにいった。整復状態は不良であった。現在は大腿部骨幹都骨折に対する観血的治療としては、髄内釘によるものが多く報告されている。リハは受傷後5週経ってから開始されている。その時点で膝ROMが屈曲40゜、伸展−20゜であた。浮腫を取ることと、筋の滑りを出すように訓練していき、受傷後9週の時点で膝ROM屈曲80゜(90゜)、伸展−20゜(0゜)となった。痛みは大腿部中央部と外側部にあった。これについては、ope侵襲からITTの癒着が考えられる。更に骨の突起都による痛みも考えられる。ITTについてはisometric等を使った方法が出されたが、早期の運動でロープを便った方法が新しく出された。ロープをoverheadにつけ、足関節にカフにて吊り下げる。その状態で外転を行う。外転していくほど持ち上がり、ITTにうまくtensionがかかるようにするというものである。骨の突起部の痛みについてはこのまま継続して行くことでCyst形成を促していくことで痛みは軽減するであろうとの意見だった。それまでは自制内で痛みを我慢してでも続けることが重要とのことであった。今後もまだ荷重時期や方法等間題となって来る点も多い。結果を追って報告してもらいたい。(文責:岸田)

 平野総合病院 理学療法士 小野先生より股関節脱臼骨折の症例が呈示された。間題呈示としては股関節屈曲、内転、外旋、内旋における可動域制限(特に内転、外旋)、立位歩行時の思側骨盤低下の考え方の2点が出された。受傷後7週経過し、骨折部も安定しておりPT治療としては、股関節拘縮に対するものがfirst choiceされる項目として挙がると思われた。拘縮に対する評価として、筋、骨レベルの制限困子は考えにくく、やはり靭帯機能の障害と考えていくべきであろう。もともと脱臼の病態はすなわちV度の靭帯損傷と考えれば当然と言えば当然である。各ポジションを変化させてのROMの結果から、腸骨大腿靭帯の短縮が大きな因子と考えられ、その治療として側臥位で内転方向を利用した治療、腹臥位での回旋方向を利用しての治療等意見として提案された。またROMの改善と共に異常姿勢も徐々に矯正されるとの意見も出された。治療対象となる組織の明確化はPTにとって最も重要なことであり、改めて基礎解剖の必要性を痛感させられた。本研究会のテキストをもう一度参照して、確認しておいて頂きたい。(文責:林)