第17回整形外科リハビリテーション研究会報告
1993年4月17目(上)国立名古屋病院5階会議室

国立津病院 理学療法士 岸田先生より、足関節の靭帯とLauge−Hansenの分類を中心としたLectureが行われた。一般に内側靭帯では背屈位で脛舟・脛距靭帯が弛み、脛踵靭帯が緊張し、底屈位では逆となって、底背屈の動きを制限する。一方、外側靭帯は背屈位で踵腓・後距腓靭帯が緊張し、底屈位で前距牒靭帯が緊張するが、外側靭帯では内反の制動に大きく関与している。X−Pテストでは前方引き出しテスト、talar ti1tが紹介され、正常値にもバラツキが大きいということであった。脱臼骨折の分類として広く用いられているLauge−Hansenの分類では、基本用語の底背屈、内・外転がいずれも距骨の動きを中心に考えられていることに注意すると共に、SA、SER、PA、PERと説明が加えられた。もう一度この機に整理し、再確認されたい。(文責:国立名古屋病院 中川)

 菰野更生病院 理学療法士 原田先生より左脛骨内果骨折(Lauge−hansen分類ではPA型)の症例が報告された。3月19目にTensionband Wiring施行、3週間gyps固定、4月6目理学療法開始し、足趾の動きは良好なもののDF−5゜、PF10゜で、等尺性収縮や弾性包帯を利用して浮腫対策、筋再教育を進めた。4月12目(4週)でDF0゜、PF20゜と改善しているが、今後の治療の進め方、考え方について間題が提示された。Laugθ一hansen分類ではPA型で靭帯損傷も軽度と考えられ、さらに膝の肢位で角度が変わらないことから、筋が制限因子とも考えにくい。フロアーからはgypS固定の肢位について質間があり、中間あるいは底屈位になっていると後方の関節包や靭帯が弛み、肉芽組織の侵入を許し、背屈制限因子となることがあるということが確認され、pu11yによる牽引にしても4週間いう時期を考えると持続よりもむしろactiveによる包内運動を重視していきたいということなどが挙げられた。次回の結果報告に期待したい。(文責:国立名古屋病院 中川)

 碧南市民病院 理学療法士 浅野先生より22才女性の交通事故にて受傷した右股関節後方脱臼、右股臼蓋骨折、右脛骨近位端骨折、右腓骨骨折、右第2・3・4・5中足骨骨折(骨頭骨折・底部脱臼骨折)、右下腿挫減創、右第1MTP関節解放性脱臼の症例が提示された。受傷後1週間はブラウン荷台にて安静を保ち、牽引は行わなかった。opeは右股関節骨片除去が行われ、ope後1週にて腰からのgyps固定を3週間施行し、受傷から6週経った時点でリハビリを開始した。ROMはHIPF1ex45゜、Ext−10゜、abd30゜、Knee F1ex50゜、Ext−10゜、Ank1e DF−30゜(一10゜)、PF40゜で下腿から足部にedemaが強くあった。約7周半の時点でジムコ−ドを設置して病棟での自主訓練を行うようにした。絢8週時点でのROMはHIP F1ex(80゜)、abd(40゜)、Hip F1ex45゜にてIR(15゜)、ER(5゜)、Hip ExtにてIR(5゜)、ER(20゜)、Knee F1ex120゜(130゜)、Ext(0゜)、Ank1e DF−10゜(5゜)PF(40゜)であった。現在もedema残っており、現在は完全免荷である。多発骨折であるため治療にも難渋することが多いと思われるが、今回のような場合は、予後を考えて足関節と、股関節を間題にするべきとの意見であた。時期を考えると足関節については、前足部は気にしないで積極的なROM訓練を行っていった方が良いとの意見が出た。背屈制限については、三角靭帯による制限が考えられるため、徒手的に距骨、踵骨の外転を使ったmobi1izationを使って行っていくとのことであった。股関節についても脱臼ということで靭帯は損傷されていると考えられるが、Opeを行ってはいるもの靭帯の走行は変化していると考えられる。そのため痛みの場所など多少走行に合わないことも考えられるが、靭帯と考えて積極的に治療して行く必要があるとの意見で合った。フロアーより股関節脱臼の治療の経験が報告された。今回の症例では行われていないが、約8週間は直達牽引を行うとのことで、このときにPTが考えなければいけないことは膝関節拘縮の予防である。setting等を使いsupra−pate11ar pouchの癒着を極力予防する必要があるとのことであった。今回の症例では、アーチサポートも荷重時期に併せて製作中であるが、足部のアライメントも崩れているため一工夫が必要になると思われるため、今後の報告に期待するものである。(文責:国立津病院 岸田)