第18回整形外科リハビリテーション研究会報告
1993年5月22目(上)国立名古屋病院外来棟5

平成医療専門学院 理学療法学科 林先生より肩関節外転障害についてチャート方式にて1ectureがあった。障害にも様々な原困があり、それぞれに関係があるため、評価をするのに非常に役立つものであった。同じ挙上障害であっても異なる原困があるため、確実に原因究明ができるようにしてゆきたい。フロアーからチャートには挙げられていないもので、頚椎症などの神経根症状についてはどう考えれば良いかという質間があった。これについては、感覚検査、正確なMMT、腱反射をすることで十分に鑑別出来るとのことであった。実際の症例に応用出来るようにチャートを各自でもう一度確認されたい。いずれにしろこのような考え方は、肩関節外転障害のみならず総ての疾患についても言えることなので、常に原因を最後まで追及して行く姿勢を忘れないで目々の臨床に携わってゆきたいものである。(文責:国立津病院 岸田)

 平野総合病院 理学療法士 江浜先生より79才女性の左上腕骨外科頸骨折の保存的治療例が提示された。受傷後三角布固定、2週4日でPT開始、肘から末梢に浮腫とそれに伴う可動域制限あり、自・他動運動で肩甲帯に防御的収縮が出現し、疹痛(十)となる。4週2日で屈曲(80゜)外転(70゜)疹痛(十)、7週4日でCodman exを行ったところ、疹痛(一)で屈曲(90゜)外転(70゜)であった。症例検討は7週4日までの治療の反省と、その後の方針について行われた。反省点では、X−p上受傷時転位が少なかったものが、その後外転位となっていることから、早期の固定に間題があった可能性があること、疹痛を伴った状態での自動・自動介助運動を助けるべきであったこと、浮腫への対応が不十分であったことなどが挙げられた。今後の方針としては、肩甲帯のリラックスを図ることが大切であるが、Codman exで疹痛が生じず可動域訓繰ができていることから、まずはこの方法を続け、大結節がsubacromionを通過できるようにすること、回旋方向へのストレスをかけないこと、浮腫対策を講じることなどが挙げられた。上腕骨外科頸骨折では、全治療期間を通じてG−H jointをまたぐ筋の付着部が、骨折都の近位なのか遠位なのかに注意する必要があり、筋力強化や他動筋伸張時に骨折部にかかるストレスを考慮して治療に当たるべきと考える。また、保存例でのCodman ex開始時期は、医師と話し合いの上決定されるべきであろう。(文責:碧南市民病院 浅野)
 
 平野総合病院 理学療法士 五島先生より右上腕骨骨幹都骨折の症例報告がなされた。経過としては、H4.9.14受傷、gyps固定し、9.28hanging cast装着、H4.10.13functiona1 brace装着、H4.12月functiona1 brace除去し、H5.1.28受傷後約19週にてリハが開始された。リハ開姶以前のことはほとんど分からない状態であった。リハ開姶時は肩関節屈曲30゜(G−H5゜)であり、capsu1eの縮小、1igamentの短縮が考えられ、X−P上でも関節包の縮小化を思わせる所見として、骨頭の上昇が見られた。原因を関節包として、mobi1izationを行った。方向としては、前方、後下方、側方を中心にして、さらにsupineにて肩甲骨を固定して垂直に牽引を4−5sにて行った。H.5.5.20受傷後8ヵ月半の時点で肩関節屈曲85゜(G−H20゜)、外旋30゜、外転60゜となった。現査の状況では、よく改善して来ていると思われる。今後行ってゆく治療に対して、フロアーからmobi1izationの方向についての意見があった。G−Hの動きに大きく関与するのは前下方であり、midとinferiorのG−H ligamentが挙上に伴ない握れながら伸張されるのだが、それに必要な用量がなくなって釆ていると考えられる。前下方のcapsu1eに対する治療も加えて行うと良いのではないかということであった。この症例ではどこをgoa1にするかが間題ではあるが、本人の満足度を含めて考えて行く必要があると思われた。本症例でいかに早期の訓練が成績に影響するのかが分かり、それをより減少するためにも医師との協力関係を作って行く努力が必要であることを実感させられた。(文責:国立津病院 岸田)

 国立津病院 理学療法士 岸田先生より、45才男性の右上腕骨骨幹都骨折でender pinを施行した症例の報告がなされた。経過は、H4.12.13交通事故にて受傷、H4.12.16ope施行、H4.12.25リハ開始となる。三角布固定で肘関節ROMのみ施行、f1ex100゜(11O゜)、ext−10゜(一5゜)であった。H5.1.5よりCodmanex開始、G−H80〜90゜であったが、H5.1.11 clickがあるため中止となる。H5.1.29gypsによるfunctiona1 brace装着にてCodmanex再開し、H5.3.8ope後11週半で挙上開始し、その時点で150゜でありH5.5.22現在肩関節挙上160゜(左右差ないが痛みあり)、結帯、結髪動作可能である。間題は最終域での痛みと、動作時痛である。この症例では、絢12週間もの間Codmanexのみしか出来ない状態であったにもかかわらず、ROMが良好な成績であることが重要である。これは、確実にCodmanexにてG−H jointの可動域を確保さえすれば固定期間が長期化しても大丈夫であることを示すものである。Codman exがいかに重要であるかを再認識させられた。痛みについては、フロアーから棘上筋、棘下筋をしっかりと評価してみると良いのではないかとの意見が出されたが、最終域での痛みは難しいため確実に評価をして行く必要があるだろうとのことであった。(文責:木村病院 神山)