第20回整形外科リハビリテーション研究会報告
1993年7月24目(土)ライオンビル7階萬有製薬会議室

国立津病院 理学療法士 岸田先生より『指の伸展機構』について1ectureが行われた。腱の都位別の名称、付着都、機能について資料を参考にして説明された。細かくそれぞれが連結しており、複雑な機龍を呈することを再確認させられた。特にPTにとっては苦手とする分野でもあり、理解に時間がかかるかとは思われるが、治療をしてゆく上で、又治療対象の明確化の上では必ず必要となって来るものであるため、この機会に確認しておきたいものである。(文責:国立津病院 岸田)

 平野総合病院 理学療法士 小野先生より35才女性、左第3基節骨骨折、左指圧挫創の症例が呈示された。H5.3.29コンプレッサーに挟まれて受傷。シーネ固定し、4.14のX−pにて転位が認められたため、C−wireにて固定、5.7にC−wire抜去、5月下旬よりリハを開始した。ROMの変化は、初診時が第2指PIP jt f1ex.35゜、ext.−30゜、第3指PIP jt f1ex.60゜、ext.−45゜であり、7.15現在で、第2指PIP jt f1ex.65゜、第3指PIP jt f1ex.95゜であった。評価としては、手関節、MP関節を様々な位置でPIP関節の角度変化を診たがさほど変化がないことから、関節外要素ではなく、関節内要素がその要因と考えられた。その中でも、側副靭帯の癒着、短縮が考えられた。一股に側副靭帯は屈曲してゆくと緩むと言われてはいるが、線維の部位により屈曲にて緊張する線維があると考えられ、今回の可動域制限になっていると思われた。治療としては、まずmobi1izationを用い側副靭帯を中心とした伸張性の獲得が大切との意見が出た。またIP関節の角度を変えながら側方へのストレスをかけるようにすると良いとのことであった。次にスプリントを用いた持続牽引療法が行われているが、フロアーより素材の間題が上げられ、ゴム等の伸縮性のあるものとベルクロのような伸縮性のないものとどちらを使用するべきかが検討された。様々な意見があり、最終的には結論を付けるに至らなかったが、症例の時期を考えて使い分けて行く方が良いであろうとのことであった。また、軟骨栄養及び修復を考えてactiveな運動療法も十分に行うほうが良いであろうとのことであった。今回の症例でもまず原因が関節構成体かそれ以外のものかを鑑別することが重要である。その評価を元に適切な治療を行ってゆくようにしてゆきたい。(文責:国立津病院 岸田)

 平野総合病院 理学療法士 小野先生より44才男性の左コーレス骨折の症例が呈示された。経過はH5.5.30転落にて受傷、整復し上腕から手にかけてgyps固定、6.18gyps除去、シーネ固定、7.12リハ開始となった。7.23現在のROMはwrist DF.45゜、PF.60゜、forearm supination.60゜、pronation.90゜であった。細かな評価はこれからとのことであるが、X−pでは良好な整復がなされていたが、多少pa1mar ti1tが減少してO゜に近かった。このためPFが多少制限される可能性が挙げられたが、さほど間題となるほどではないとのことであった。この症例を通して確認された事は、Co1umuner theory、Ring theoryであった。近位手根列には筋の付着はなく、遠位手根列の動きを舟状骨、三角骨が伝達し月状骨の動きを決定するため、橈骨手根関節の可動性の改善には舟状骨、三角骨の動きを十分に出しておくことが重要であるとのことであった。wrist rounder(*1)、O−be1t(*2)(名古屋液済会病院OT考案)等を使い自主トレを確実にしてゆくことも重要である。(文責:木村病院 神山)