研究会会貝各位
整形外科リハビリテーション研究会
第23回整形外科リハビリテーション研究会報告

高浜市立病院 理学療法士 大曽根先生より足関節靭帯構造および機能についての講義があった。外側側副靭帯(前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯)と内側側副靭帯(DELTOlD−L1GAMENT脛舟靭帯、脛踵靭帯、脛距靭帯)についての解説であり、主として背屈、底屈運動における各靭帯の緊張の変化と可動域との関連について述べられた。ANKLE−MORTISEという概念から考えたとき、特に背屈底屈運動においては距骨をコントロールする組織が重要であり、背屈の抵抗となる後距腓靭帯、脛距靭帯、底屈の抵抗となる前距腓靭帯は重要である。但し、これら側副靭帯の機能はまず側方安定性への関与であっることを考えれば、足関節がどの肢位にあっても何らかの靭帯が側方安定性を制御していることを示しており、矢状面だけで考えることは危険なことであろう。距骨自信に付着を持つ筋肉は存在しないことから、距骨の運動はあくまで遠位依存型であることを念頭に置き、ショパール、リスフラン両関節を含め、足全体からみたANKLE−MORTlSEの解釈が必要となると思われる。(文責:平成医療専門学院 林)

 平野総合病院 理学療法士 小野先生より前回の研究会で呈示のあった、左足関節三果骨折の症例が呈示された。手術後1週でgyps固定(0゜)のまま松葉杖歩行のみ施行し、2週半でシャーレに変更、ROM訓練施行した。この時点でDF10゜、PF20゜であり、edemaに対し圧迫をし、筋の活動性を高めることに重点をおいた。術後3週半の時点でDF25゜、PF40゜で健側差なくなり、術後4週半で退院することが出未た。良好な成績が出せた理由として、@gypsの固定角度をO゜にしていたこと、A筋の活動性を自動運動、抵抗運動にて十分に高めたこと、Bedemaを早く除去したことが挙げられた。@については、Drが行うことではあるが、底屈位になり易いためDrと連絡を取りより良い状態に出来るよう、我々も注意する必要がある。ABについては、我々が早期から確実に施行すべき内容である。更に実技を含めた意見として、(1)gyps固定中に足関節の内及び外反運動をする、(2)椅子に座った状態で膝の屈曲−伸展運動をすることで、足関節の各運動方向の動きを出す、(3)患側だけではなく、健側をボール等の不安定なものに乗せ、各運動方向に動かすことで細かな筋のバランスをつけるといった内容のものが挙げられた。何を用いるにしろ、予測し得る阻害因子に対して早期から確実に取り除いて行けるよう努力したい。(文責:国立津病院 岸田)

 総合大雄会病院 理学療法士 中井先生から左膝内障(ACL,PCL,MCL,LCL、内側半月板、内外側関節包断裂)の症例呈示があった。9月27目に受傷後、19目目の10月5目に人工靭帯(Lees−Keio)にてACL,LCL再腱、MCL、内側半月板縫合を行った。膝30゜屈曲位にてシーネ固定後、リハ開姶の11月2日までの約4週間の間に、内反防止のため4目間のgyps固定をしている。開姶時、膝20〜90゜,WT2〜31evel,edema++で、11月5目CTibrace装着、11月17目PWB1/3,18目現在膝屈曲10゜−65゜の状態であり、今後の進め方について間題が呈示された。一般にACL単独損傷で再建に行った場合は、術後すぐにリハ対象で進めれれるが、この症例は複合損傷でいわゆるunhappy triadと呼ばれ治療を困難にしている。フロアーからは、術後6週経過した現在、ACLに関しては積極的に行っても良いこと、MCLも安静期間は過ぎたことから、edema対策、pate11a mobi1ity等も考えながら、まず、四頭筋の筋収縮をしっかりと出すことが重要であることが出された。実際の訓練肢位についても、坐位、背臥位、SLRを利用するもの、加えて内外旋を入れることで内外側広筋を単独に狙うもの、股関節伸展で直筋のtensionを上げて、全体の収縮力を出せるもの、pu11eyの利用等実技を交えて案が出された。今後、治療を進める中で、膝窩部痛等他の間題が出ることも予想され、その都度原因の探求が望まれる。ぜひ、経過を報告して戴きたい。(文責:国立名古屋病院 中川)

 高浜市立病院 理学療法士 高橋先生より、右アキレス腱断裂の症例が提示された。術後下腿以下ギプス固定(底屈位)、2週間で巻き直し(底屈30゜)、4週でシャーレとなり、理学療法開姶となった。今後は5週で1/3PWB,6週で全荷重、7週でシャーレ除去という指示が出ているが、一般的にはどうかとの間題提示であった。フロアのPTからは、PWBまでに2〜6週、FWBまでに8−10週、底屈位ギプスにヒールを付けてPWBというものが多かった。文献的には9日目からPWBというものもあったが、おおよそ上記の通りであった。PWBに際して注意すべきことは、足底への荷重がじそのままの強さでアキレス腱へのストレスとはならないことである。可動域が十分(背屈10゜以上)あるか、ヒールが付けてあり、荷重が下腿の長軸に一致している場合、理論的には荷重によってアキレス腱に過剰のストレスがかかることはない。しかしつま先接地の場合、カウンターとしてその数倍の力がアキレス腱に張力として働くことになる(テコの関係)。その点を考慮して荷重を行って欲しい。また再断裂はFWBとなってから起こることが多く、注意を要する。スポーツヘの復帰は一般的に半年後であり、90%の筋力回復を必要とすると言われている。(文責:碧南市民病院 浅野)

 岐阜リハビリテーション病院 理学療法士 五島先生より右上腕骨骨幹都骨折で梼骨神経麻痺を合併した症例が報告された。本症例の場合受傷後3ヵ月経過した時点でROM制限(肩関節、肘関節、手指)、下垂手、上腕〜手指にかけて著名な浮腫が存在していたが、現在では浮腫、ROM制限が改善されカックアップ・スプリント装着にてボタンの着脱が可能となり良好な成績が得られた。訓練に関しては、特に手指の機能の獲得に重点をおき、手指を屈曲する際にExtrinsic Musc1eではなくintrinsic musc1eで行うという橈骨神経麻痺に起きやすい特徴に対し早期にExtrinsic Musc1eの活動を高めるActive Exを行った。実際の訓練内容では、症例にDementiaがあり視覚を利用したActive Ex等紹介された。また右上肢がADLに参加できるようカックアップ・スプリントの作成に理学療法士、作業療法士、義肢装具士が協力し、一般では背屈40゜のところを20゜に設定するなどADL上より使用しやすいスプリントが作製出来た。その結果としてボタンの着脱が可能になるなどDisabi1ity 1eve1の改善がみられチームで取り組む大切さを痛感した。(文責:木村病院 神山)