会員各位
整形外科リハビリテーション研究会
第24回整形外科リハビリテーション研究会報告

 平成医療学院 理学療法士 林先生より疼痛の発生機序について、文献を中心とした1ectureが行われた。重要なことは、受容器や神経分布の存在しない部位に疼痛は発生しえないということである。そのため解剖学的な神経分布、受容器をまずは押えておく必要がある。特に神経分布については、関節に直接分布するものと、筋肉に分布してから関節に分布するものがあり、疼痛の訴えの中にこれらの因子が含まれることを念頭において置くことも重要である。また発生機序につじいても、半月板や軟骨には神経分布がないためその部位からの疼痛発生はあり得ず、自由神経終末の豊富な滑膜や関節包の非生理的な緊張(例えばFTAの変化)により発生するということが重要である。疼痛は理学療法を進めるうえで重要な阻害因子のひとつであり、原因を追及していくうえで非常に重要な理論的背景であり、常に念頭において置きたいものである。(文責:国立津病院 岸田)

症例報告.1 ガンマロッキングネイル
報告者:碧甫市民病院 理学療法士 寺下先生

 大腿骨骨幹部骨折に対しガンマロッキングネイルという術式がとられ、術後1週でリハ開始し、術後3週で全荷重となった。股、膝関節におけるROMに間題はみられなかったが、荷重後の支持性(筋力的に)については不安定なものがあった。ガンマロッキングネイルについてはまだ新しい術式であり、早期荷重、少ない侵襲が特徴である。今回は、大腿骨転子部骨折の報告のみとした。詳細は参考文献(英語)を参照して下さい。

症例報告.2 左上腕骨穎都骨折
報告者:碧南市民病院 理学療法士 浅野先生

 左上腕骨顆部がY字型に折れ、中央部が粉砕し、骨移植を要した症例で、かつcanu1ated screw、reconstmctive p1ate、K−wire等による固定も十分とはいえないものであった。術後は約90゜でギプス固定され、術後37目目に理学療法依頼された(O−55−100)。他動運動は禁止のため、等尺性収縮(最大屈曲位での屈曲・伸展、最大伸展位での屈曲・伸展)、浮腫へのアプローチ(テーピング十手指自動運動、ハドマー)、home−ex。としての自動運動(手指・前腕・肘・肩)の指導を行った。術後59日のX−pで仮骨形成認められ、他動運動開始、ADLを考慮し、屈曲重視で行った(非伸縮性のバンドによる持続伸張も)。術後122日でO−30−135という状態であり、治療者としては更に伸展にもアプローチしたかったが、ADL上間題なく理学療法終了となった。十分な肘屈曲角が得られるとADL上間題が少なくなることを示す症例でもあった。:等尺性収縮・浮腫への対応・HOME EX・肘屈曲重視

 平野総合病院 理学療法士 小野先生より右肩関節脱臼骨折と右大腿骨骨幹部骨折の症例提示があった。間題は、肩関節脱日骨折で受傷後6目目にAO p1ate(De1t−pectra1 approach、ollierの皮切)にて固定した症例に対する治療内容、実技の確認であった。術後3週で理学療法を開始(屈曲90゜、G−H60゜)し、術後4週の現在、挙上105゜、G−H70゜で、プログラムとしてはG−H jointの可動性を獲得する目的でscapu1aを固定してのCodman−exを行っているとのことであった。現在、治療の中心がG−H jointの可動性の獲得であることは一致した意見であるため、さらに実技を行う中でポイントとなるscapu1aの固定法やそれぞれの工夫、立位が取れない場合の坐位での応用等の理解を深めることが出来た。今後は、X−pを見ながらC−H 1igの伸張を考えることが重要となることも確認した。経過報告に期待するものである。(文責:国立名古屋病院 中川)