第25回整形外科リハビリテーション研究会報告

平野総合病院 理学療法士 小野先生より左上腕骨外顆骨折、左尺骨肘頭骨折、左橈骨遠位端骨折の症例が呈示された。11月14目受傷、11月17日ope(肘頭−zuggrutungs法、橈骨遠位端−pinning)施行し、シーネ固定、11月27日退院、12月15日(ope後4週)よりリハ開始となった。H6年1月7目現在肘関節屈曲80゜、伸展−30゜、手関節掌屈5゜、背屈30゜、前腕回内90゜、回外5゜であった。腫張も手指から上腕遠位1/3まであるとのことであた。時期的には橈骨遠位端骨折については、どちらかというと早すぎると思われるとの意見であった。訓練内容としては、edemaに対しては圧迫を加えてのactiveを十分に行うとの意見であり、全体としてRSDが疑われるため、あまり強い他動運動は避けるほうが良いとの意見で合った。更に舟状骨の動きが制限されているため、十分な動きを出して行くことが重要とのことであった。MP、PIP、DIPについては、intrinsicの活動を十分に出し、collateral ligに対するアプローチが必要とのことであった。最後にこの症例は外来通院とのことで、自主トレが重要なポイントとなってくるため、特に筋収縮を確実に出せるように指導して行くことが重要とのことであった。(文責:国立津病院 岸田)

 碧南市民病院 理学療法士 浅野先生より、左膝関節内骨折(外顆骨折・顆間隆起骨折)、左脛骨近位端骨折、左腓骨頭骨折の症例提示があった。8月10目に受傷し、保存にて5週間gyps固定、リハ開始となり、16週経過した12月24日の時点で膝ROMlO゜−150゜で正坐可能である。間題としては、荷重時痛、伸展制限、保存療法の是非が挙げられた。Drサイドからは関節内の異物、半月板、靭帯等の確認が出され、PT、OSTからは荷重時痛と膝内反することからアーチサポートは工夫されたということで、追加して下腿の内旋を誘発して圧を逃がすことや、荷重時の筋活動を上げる中でも内側広筋や鵞足を形成する筋等を中心に置いてアライメントを工夫してみてはどうか等の意見が出された。時間が短く十分に討論が出釆なかったが、ぜひ経過報告をして戴きたい。(文責:国立名古屋病院 中川)

 岐阜大学医学部附属病院整形外科講師、喜久生 明男先生より「関節部骨折−その治療と考え方−」と題し講演が行われた。関節部骨折の治療原則として@解剖学的整復A強固な固定B早期の運動療法が教科書的にも言われている。@Aが確実に実施できればBについてはきほど難しいこととは思われないが、実際には諸条件により長期のギプス固定を強いられる場合もすくなくない。喜久生先生は講演の中で「関節は動いてこそ関節であり、動くことが最も自然な姿である」と述べていただいたとおり、骨は癒合したが関節は動かないではADL上患者は満足してはしてくれないであろう。そのための一つの対策として、受傷後1〜3Wの間直達牽引下にアライメントを保持した状態で徹底的な関節運動を行い、その後ギプス固定を行う方法にて良好な成績を治めることができたと話された。喜久生先生自身この2W前後の時期はその後の拘縮を左右する大切な時期と考えてはいるが、その理論的根拠の証明は大変難しいとのことであった。拘縮がいわゆるsoft−tissue修復の一つの結果と考えるならば、肉芽組織が進入してくる2W前後の治療の考え方は、これからの外傷治療において重要な因子となり得るかもしれない。最後に喜久生先生の御略歴を紹介き世ていただきまとめとしたい。

喜久生 明男(きくいけ あきお)先生
岐阜大学医学部附属病院 整形外科講師 医学博士

 専門はバイオメカニクス、スポーツ医学、股関節外科、小児整形外科日本ホッケー協会の役員として国際大会の帯同ドクターとして活躍中
現在、日本ホッケー協会チームドクター、関西ラグビー協会医務委員、岐阜県ラグビー協会医務委員、岐阜県体育協会医科学委員会委員、岐阜県スボーツドクター協議会副会長など要職を務められている。その他、主要学会・研究会の幹事として中部日本整形外科災害外科学会(評議員)、東海スポーツ傷害研究会、東海外傷研究会、東海小児整形外科懇話会、岐阜県整形外科集談会、岐阜スポーツ医学研究会、岐阜人工関節フォーラムなどにて御活躍中である。