第26回整形外科リハビリテーション研究会報告

於:1994.2.19(土)東社会教育センター

 平野総合病院 理学療法士 小野先生より肩鎖関節、胸鎖関節の機能を中心にLECTUREが行われた。解剖学的位置関係のみに止まらず、それぞれの機能解剖をも合めて文献を中心に行われた。特に肩鎖関節の軸中心の運動が理解しにくいこともあり、モデルを使い実際に動きを出しながらの説明が行われた。さらにSCAPULO−HUMERAL RYTHMEと鎖骨の動きの関係をモデルを使い十分な説明が行われた。これらの内容については、文献的な数値というものはあくまでも平均値であり、個人差が非常にあるということを十分に理解したうえで利用する必要がある。実際にモデルを使い安静時での肩甲骨の位置の個人差、RYTHMEの個人差を実際に体験した。個人差を十分に把握することは、特に片麻痺の肩関節運動を行う際に肩手症侯群を起こす危険性を軽滅することにつながる。さらに、CODDMAN体操の際に上腕骨を内旋にするか外旋にするかで鎖骨の動きに違いが出て来ることから、今後考慮して行く課題となるものである。文献の数値ばかりを鵜呑みにするのではなく、実際に動きを観察し、考察することで個人差を考慮した適切な治療が出来て来ることを実際に経験することが出来た。有意義なLECTUREであったと思われる。(文責:国立津病院 岸田)

 高浜市立病院 理学療法士 大曽根先生より左肘脱臼骨折、左上腕骨内顆骨折の症例(15才男)が提示された。柔道の最中に受傷し、受傷後1週で内顆螺子固定、術後2日で退院し、術後4週間シーネ固定、術後6週から理学療法開始されている。現在術後約3ヶ月で、肘関節O−45−120(0−35−130)であり、可動域終末で尺骨神経領域にしびれを生じる。上腕骨外顆および上腕二頭筋に圧痛を生じる。肘関節外反位をとっているが、動揺性はなく、浮腫もない状態である。今後の治療につき検討したが、まず外側の圧痛は、X−p上、外顆骨折による疑いがもたれた。受傷後3ヵ月以上経っているため、特に特別な注意を必要とはしないだろうが、早い時期であれば、外顆にストレスをかけない工夫が必要であったかもしれない。(前腕回内位での運動の方が回外位より腕橈関節にストレスがかからないのでは?との意見があった。)可動域制限に対しては、筋収縮(上腕二頭筋、上腕筋、上腕三頭筋)を使い関節包の癒着や短縮の改善を試みることができるだろう。伸展制限は、関節包前部の間題が大きく、上腕筋の等尺性収縮は有意義であろう。また筋収縮の誘発方法としては、パワーグリップによって同時収縮を生じさせてみては、との意見もあった。肘関節外側部の組織の短縮も生じているはずで、十分なストレッチも必要である。X−p上、骨萎縮も進んでおり、筋収縮や関節運動による物理的ストレスはその改善にも重要である。(物理的ストレスによる荷電と骨芽細胞、破壌細胞の活性低下特性=ピエゾ効果も復習しよう!)その他、治療時間以外の時間を有効に便うため、装具等の検討もされたが、受傷からの期間を考えるとどんどんストレスをかけても良い時期なので、積極的な理学療法を期待する。(文責:碧南市民病院 浅野)