第30回整形外科リハビリテーション研究会
1994 6 18 於 東教育会館

 国立名古屋病院 理学療法士 中川先生より「股関節手術による軟部組織の侵襲」についてLECTUREがなされた。CHS、THA、ENDER、RAOについてそれぞれのアプローチでの軟蔀組織の侵襲を、ビデオと筋を貼り付けて再現した骨標本を使い説明がなされた。訓練の指示が出たときに、安静と訓練を考えていく場含や脱臼肢位を考慮するためには重要な内容であった。当然のことながら、症例ごとに細部は異なってくる面もあるため、術者とのコミニュケーションが重要となることは言うまでもない。股関節の手術につては、手術によるところが大きいといわれているが、筋カトレーニングやADL指導を行うのはPTであり、そのときにこれらの知識が重要となるため、ある程度の手術手技については理解しておきたい。(文責:国立名古屋病院 岸田)

 菰野厚生病院 理学療法士 丸山先生より59才女性の右橈骨及び尺骨骨幹部骨折の症例が呈示された。ベルトコンベアーにて挟まれて受傷した。橈骨はプレート固定、尺骨は髄内定を施行し、三角巾固定にて5週半経過した時点でリハ開始となった。初期評価では、示指MP屈曲30゜、PIP屈曲80゜、DIP屈曲80゜、中指MP屈曲40゜、PIP屈曲90゜、DIP屈曲80゜、肘関節0−40−90、手関節掌屈15゜、背屈5゜、前腕回内30゜、回外5゜であった。これに対してMPの包内運動、ISO岨丁則C、側副靭帯のストレッチを行った。訓練中にRSDを来し、疼痛域値の低下を来し、星状神経節ブロックを施行すると疼痛が軽減するといった状態であった。術後約8週の時点で示指MP屈曲60。、P1P属曲90。、DIP屈曲90。、中指MP屈曲70゜、PIP屈曲90゜、DIP屈曲90゜、肘関節0−20−100、手関節掌屈50゜、背屈20゜、前腕回内60゜。、回外10゜であった。フロアから、手関節やMPとIPとの関係についての質間がなされたが、情報が十分でなかったため不明であった。指についてはintrinsicとextrinsicの鑑別が重要となるため、もう一度評価をしていく必要性を指摘された。肘、前腕、指の関節可動域制限があり、受傷機転が圧挫のため、前腕の筋損傷が一番疑われるとのことであった。RSDを合併しているため、極力自動違動を中心とし、OT的な作業療法を工夫して行っていくことが薦められた。特に手指についてはINTRINSICを使ってしまい、EXTRINSICを使った十分な把持ができないことが多いため、工夫をする必要がるとのことであった。梱包用のビニールの干渉材(ブツブツでつぷすとプチプチとつぷれるもの)をピンチさせているとの意見も出された。参考にして、それぞれの施設で工夫してみたい。今回の症例については、RSDを合併しているということで通常の状態とは違うため、訓練内容に制限が出てくるものとは思われるが、今後の訓練緒果をぜひ今後のRSD含併症例のためにも報告していただきたい。(文責:国立名古屋病院 岸田)

 平野総合病院、理学療法士の小野先生の症例で左反復性肩関節脱臼23歳、男性が報告された。5年前に左肩関節脱臼を受傷し数週間固定を行ったが、以後3回脱臼を繰り返している。H6/5/3に再脱臼を起こし整復後3週間の三角巾固定を施行した。その後ope目的で入院し6/7にBristow変法施行、9日後の6/16よりReha開始予定である。今後の進め方に対し問題提起があり、意見としてOpe手技、侵襲を考えると肩外旋、肘伸展の制限が予測さ九るため早期より内旋へのisometric、骨接合部、二頭筋短頭、烏口腕筋に過負荷にならないpositipでの肘伸展、G一則i♂の動きを獲得しておく為の肩甲骨固定でのCodman、(三角巾での肘関節角度の調節、positionも立位、側臥位の工夫)などが出された。さらに討議されたのが早期という時期と負荷の程度の間題であった。時期的には軟部組織修復の3週を軸に、それまでは安静も治療と考え、負荷も炎症の助長、痛みなどを考慮し慎重に進める必要がある。3週を過ぎると、骨癒合6週前後に注意しながら負荷を選択したい。骨に対しては微弱なストレスが癒合を促進する為、ある程虞の負荷は良いのではないかという意見もでたが、基本的には間違いではないものの非荷重部であること、筋の張力による剪力、回旋力が働くことが予測されることを考えるとDrとのdiscassionとともに慎重さが要求される。さらに侵襲されている組織だけに目がいきがちであるが、他の筋(特にrotator cuff)の維持も常に考えておく必要があり、最終的には脱臼しやすい屈曲、外転、外旋肢位で筋力をつけるところまでいけると良い治療になると考えられる。成果を是非報告していただきたい。(文責:国立名古屋病院 中川)