第35回整形外科リハビリテーション研究会報告
            於:1994.12.17 国立名古屋病院 第二会議室

 国立名古屋病院 中川先生より信原病院で行われた現職者講習会『肩の運動学と理学療法』の報告が行われた。解剖、運動学ではあらためて特筆することはなく、各論では、保存療法と観血的療法に分け、信原病院で行われている治療、後療法の説明が中心に研修会が進められたようである。その概要については同封した資料を参照し、理学療法の開始時期や内容を各自検討してもらえるとよい。今回、その中で説明が加えられたものに五十肩があった。信原病院ではいわゆる五十肩という診断がつくとまずArthrogram(造影)し、SSB(肩甲下滑液包)との交通がないとDistension(拡張)を必ず行い、閉塞部を破り再交通させる。そしてある程度のrangeを得た上で理学療法が開始されることが特徴であった。その後、実技を中心に肩の評価、治療の検討を行い意見が出された。基本的には筋の緊張を落とし、次に靭帯、関節包などにアプローチすることに相違はないが注意することとして、裸にしての観察は必須で、特に後方からscapulaの位置を見ることで筋のバランスを確認したいこと、圧痛の確認、G-Hjointの可動域を見ること、筋ではTeres major、Tere minor、Subscapularis、Deltoid、Supraspinatusに緊張が残っていることが多く、これを徒手、isometric、hold-relaxなどを利用し丁寧に落とすことで120〜130度の可動域は得られること、この先の制限と考えられる関節包、靭帯に関してはmobilizasionなどでstretchをかけるが、その方向やpositioningにも臼蓋の向きを考慮するなどの工夫が常に必要であることが出された。さらに、この筋の緊張を効率よく落とすことと、関節包などを適切にstretchすることの難しさ、skillの必要性を再認識できた。いわゆる五十肩はどの病院でも比較的見る機会がある疾患であるものの、その評価、治療は難しく治療期間も長く要するという先入観がどうしても入る。信原病院の理学療法士からも半年ほどかかるというコメントもあった。しかし、病態を知り解剖を整理し、治療法を探ることで少しでも早く完治させたいと誰もが思うはずである。次回の研究会でのrectureも肩の理学療法そのAとして、実技を中心に毎日何気なく行いがちである治療を再検討したいと考えています。        (文責:岸田)