第56回整形外科リハビリテ-ション研究会報告
1996.11.16(土)於:国立名古屋病院
 今回は足関節の機能解剖のテ−マに沿って前半を泰玄会病院の禹先生に、後半を平成医療専門学院の林先生にお願いした。
 前半では、Lauge-Hansenの分類についての説明が行われた。Lauge-Hansenの分類は研究会で何度かでてきた足関節の骨折に於いて用いられる代表的な分類であるが、型さらにstageと分類が多く見た目に敬遠される傾向がある。しかし、この分類は、最初にくる用語が骨折受傷時の肢位、次にくるのが強制される肢位であることを整理していくとわかりやすく、X-Pから受傷機転を考え、さらに骨折だけでなく靱帯の損傷をも推察できるところに大きな特徴がある。詳細については各自復習してらい、ここで理解をしておきたいのは、X-Pから見えないものを読むことの大切さである。Drからの依頼では果部骨折、内果骨折と診断名が書かれているだけが多く軟部組織の状態まで記載していることは希である。しかし、効率よい治療を行う上では、軟部組織の状態を知っておくこと、または推察できることが大きく成績を左右する。苦手なところではあるが、かならず習慣づけしておきたいことがらである。
 後半は、足関節の理学療法と題しスライドで解説が加えられた。Ankle Mortiseの理解から入り、背屈障害では、距骨に付く筋がないことからprimaryには靱帯、関節包、関節内のスペ−スが問題としてあげられた。また、Ankle Rinkの考え方、ギプスの固定肢位、ギプス中からの理学療法の必要性、腓骨の特性などを機能解剖をもとに説明がなされ理解しやすい内容となった。各動きにはそれに見合った機能解剖があり、理論立てて整理していくことでより理解しやすいものになる。しかし臨床で応用し、よい成績に結びつけるにはさらに自分のものにしていく必要があり、症例を大切にして努力していきたい。
(文責:国立名古屋病院 中川)

 平野総合病院 長谷部先生より左開放性距骨下関節脱臼の症例が報告として呈示された。H8.7.29に転落にて受傷。Ope試行しgyps固定。8.28にgyps cutし翌29日よりリハ開始。初期時にDF;-10゜であった。edema除去とtoe flex exを行うことで10.10でDF15゜となった。現在の症状としては足部のシビレ感が残存していることである。これについては足根管症候群(talusarーtunnel syndrome)による内外側足底神経のentrapment neuropathyと考えられた。ROMについてはほとんど問題がないが、逆にこの時期でROMがfreeであることに注目する必要がある。特に脱臼では、capsule及びligamentの断裂と捉えた方が良く、早期にROMがfreeになっているということはかえって将来的にinstabilityを招来する可能性があると捉えるべきである。そのため本症例についても、ROMの良好をそのまま手放しで喜ぶのではなく、足底板等にて靱帯に対するストレスを除去し、instabilityの予防を行うことを考えていくことも重要となってくる。今後の症例に役立てたい考え方である。
(文責:国立名古屋病院 岸田)