第63回整形外科リハビリテーション研究回報告
於:1997.6.21 国立名古屋病院

 今回は『足底板の基礎と応用』と題して、平成医療専門学院の禹先生に基礎を、愛知ブレースの篠田先生に応用をお願いした。基礎については、足部の解剖、機能解剖、運動学が中心となった。骨の配列やアーチの詳細な機能、それらを取り巻く靱帯の名称及び機能を実際に骨模型を各グループごとに使用しながら説明された。正常の解剖の理解がないとその後の内容はなかなか理解できない。機能解剖ではそれら足部の骨、靱帯に対して荷重がどの様な影響を及ぼすか、staticのみならずdynamicも含めて説明がなされた。subtalar jointでの動き、特に足根部横アーチにおける舟状立方関節、距舟関節、踵立方関節の機能がより詳細に説明された。またOA変化に伴う異常alignmentがどの様に発生するのかが説明された。OAのO-beinで何故archが低下するのか、その低下が膝や股関節にどの様な影響を及ぼすのか、また逆に股関節や膝、大腿骨の変化がどの様に足部に影響を及ぼすのかが説明された。アーチの作製はもとより患者の評価をする上で必要不可欠な知識であるため、十分に理解しておきたい内容である。
 後半の応用については、実際に被検者をたててアーチの作製を行った。実際の型取りの説明、デモが行われ義肢装具士がどの様に行っているかが理解できた。各グループに分かれて被検者に対して足底板の作製に必要なポイントである1〜5の中足骨頭・舟状立方関節部・踵立方関節部・載距突起下・にマーキングし、それを元にアーチを作製した。今回は前足部回外・後足部内反をサポートするようにしたため、舟状立方関節部がアーチの頂点となるようにパッドを入れ前足部は第1趾以外の中足骨頭には当たらないようにカットし、後足部は距舟関節部から踵立方関節部に向かって両関節を避けてカットした。より第1趾の屈筋の働きを抑制し、2〜5趾の屈筋の働きにより前足部を回外方向へ向かわせ、toe inさせるために第1中足骨頭部にもパッドを入れた。実際に歩行分析を行い膝のthrust、足関節底屈の程度、toe offの状態、踵骨の内外反等を視診し、アーチを装着した場合にどの様に変化がみられるかを各グループにて実際に行った。普段の臨床場面で診る癖を付けておかないとなかなか詳細に歩行分析が出来ず、変化が見つけられない。歩行分析をすることで基礎的知識を使って理論的に障害部位及びアーチサポートの形状が解るようにしていく必要がある。実際は義肢装具士との連携で行う作業ではあるが、PTとして評価できる知識を持ちたいものである。今回だけでは十分な理解は難しいと思われるため、今後も機会を見てこのような内容を計画していきたい。愛知ブレースの篠田先生には研究会のために材料を提供していただき紙面をお借りして深謝致します。
(文責:国立名古屋病院 岸田)