第67回整形外科リハビリテーション研究会報告
於:1997.12.6 国立名古屋病院

 今回はlectureのテーマを手関節とし、前半に国立名古屋病院 岸田が機能解剖と評価と題して、主に骨折の分類とX線における評価についてのlectureが行われた。分類については、橈骨遠位端骨折に絞り、歴史的背景と共に説明された。Frykman分類に代表される以前の分類では、X線に於ける状態の分類が主体となっており、治療方針の選択や予後予測には適していないと言われ、Melone・斉藤分類に代表される最近の分類では、関節内骨折の増加が加味されて、解剖学的整復を目的とした治療方針を選択することに主眼を置いた分類と変化してきた。そこで代表的なFrykman・Melone・斉藤分類が、説明された。詳細は資料の表を参考されたい。この部分は、通常の臨床場面では我々PTが診断を下すわけではなく事後評価になるが、特に手の外科・handtherapy学会での症例報告等には通常用いられているため、確認しておきたい。X線評価については、機能的予後に関与すると思われる評価として通常行われているradial tilt・volar tilt・radial shortningの3つを再度確認した。文献的には、volar tiltが予後に大きな影響を示しているとのことであった。後半は碧南市民病院 浅野先生から治療について実際の症例を通してのlectureが行われた。X線を使い実際に前半のlectureで行った計測も行った。実際にはope後37日後よりリハ開始されているが、早期リハを想定してどの様な治療が適当であるかを検討した。固定性を確認してのcastでの指のpositionの確認、(特にMP・thumb)、自動運動・挙上の指導、肩関節のチェックを行うことが考えられた。extrinsic・intrinsicの確実な運動、固定性を確認してのgraspimg-exが挙げられた。特にgrasping-exについては、把握時の近位手根列は橈骨に対して回外し、尺骨に対する橈骨の近位への移動にとよりTFCCのimpingementを抑制していると言われている手根骨間運動を可能にすると考えられるため、有効な手段ではないかと考えられた。また、橈尺屈運動(金槌で叩く動作)をさせることで掌背屈が改善する症例があることから、V-ligと呼ばれる掌側の大きな靱帯に対して、単純な長軸方向のstrech動作だけではなく、滑り運動のような動作を加えることが改善につながることも伝えられた。

 碧南市民病院 浅野先生より以前lectureにて報告・検討された足関節脱臼骨折症例の事後報告がなされた。lectureにて検討された内容を十分に施行した結果、良好な成績が得られている。casting中も含めて各時期に適切な理学療法が施行されることで良好な成績があげられることを実証するものである。

 平成医療専門学院 禹先生より事故によるvolar Barton fractureの症例報告がなされた。consが悪かったこともあり受傷後しばらくはcastingしており、1週間後pinning・casting施行された。ope後約5週半でcast offしリハ開始となっている。X線上では、volar tiltが+30゜程有り、shortning(ulna pulus varisnt)も存在した。また尺骨茎状突起骨折も合併していた。原因の検討としては、最終的には解剖学的整復位が保たれていないことが挙げられたが、volar tiltの増強があることからも、予後が不良であることが予測された。状態としては、extrinsi・V-ligの癒着・短縮が考えられた。治療については、月状骨とご最終的に可動してこないとradio-carpal jtは動かないため、舟状骨や三角骨を介した、または直接狙ったmobilizationが重要であろうと考えられた。出席したOTの先生の意見では、機能的にのみ走らないで、ADL状の問題点も具体的に考慮して対処する必要性が挙げられた。
(文責:国立名古屋病院 岸田)