第95回整形外科リハビリテーション研究会報告
於:2000.7.15 国立名古屋病院

テーマ『足関節』
※LECTURE
 @clinical palpation:足関節周囲の靱帯  平成医療専門学院 林 典雄 先生
 Aorthopedics:三角骨障害について 平成医療専門学院 鵜飼 建志 先生
※症例
 @三角骨障害観血的療法及び保存療法  ないとう整形外科スポーツクリニック 川崎 秀和 先生
B右下腿骨骨折(plate固定術後)    平成医療専門学院 理学療法学科3年 花房 勲

 palpationは踵腓靱帯・前距腓靱帯・前脛距靱帯・後脛距靱帯・脛踵靱帯・後距腓靱帯・長母趾屈筋・長趾屈筋・後脛骨筋について行われた。特に深層部の組織は触診しにくいため、解剖学的位置を確認して行うことが重要である。制限因子になった場合、どの方向に制限が出現しどの方向に動かすことで有効な治療が出来るかを確認しておく必要がある。各自再確認しておく。

 三角骨障害については、耳慣れない障害であったため、基礎的内容から説明がなされた。三角骨とは距骨後方部に存在する骨であり、いわゆる過剰骨とされている。存在自体が問題ではなく、それが原因と思われる疼痛が発生した場合に関係してくる。アキレス腱炎やその他類似疾患が存在し、鑑別が必要である。後突起外側結節に関係するということで、内外側結節間を走行するFHL、外側結節に関与する後距腓靱帯・後距踵靱帯に何らかのストレスがかかる可能性が示唆された。opeについても説明がなされたが、切除することで疼痛が消失するケースがあることは事実であるが、少なくとも、三角骨自体の存在と疼痛の因果関係は必ずしも相関するとは限らない。疼痛のメカニズムを充分に考察する必要があるとのことであった。

 三角骨障害では、ope施行と保存希望例の2症例が呈示された。ope施行例では、三角骨切除術を施行、1Wcastingし4Wにてバレエの練習を再開し、疼痛も消失している。この症例は明らかに三角骨の存在が疼痛に関与していたものと思われた。保存希望例では、X-p上距骨のalignmentが少し後方にあり、後距腓靱帯にストレスが加わっている可能性が指摘された。少なくとも明らかに受傷機転が存在し、外傷によるものであることは明白である。しかし、扁平足があり、回外足であることが予想され、更にはsubtalarにも骨硬化像が存在することから、FHLの痛みにはこれらが関与している可能性が指摘された。明確な治療法が呈示できなかったが、逆にアーチサポートやテーピング等にてどの様に推移していくのかを経時的に観察してもらい、その報告を参考にしたい。

 学生により下腿骨折(プレート固定)の症例が報告された。ope直後でcasting中から治療を開始し、ope後約3ヶ月にてほぼ左右差無い状態で退院に至っていた。術直後より確実な腱滑走を維持し、癒着・短縮を防止することで、非常に優秀な成績が上げられている。下腿骨折ではankleのROM制限が出現することが多い。背屈も当然ではあるが、背屈を中心に行ってしまうことで、底屈制限が意外に残存するケースがある。正座は出来ているものの、正確に底屈できていない症例が散見される。今回は充分な考察と治療により短期間で優秀な成績が上げられている。早期治療の有効性を示唆するものである。                        (文責:国立名古屋病院 岸田 敏嗣)