第101回整形外科リハビリテーション研究会報告
於:2001.2.17 国立名古屋病院

テーマ『足関節』
※LECTURE
 @clinical palpation:mortise  平成医療専門学院 林 典雄 先生
 A実技講習:足関節周辺の浮腫対策  碧南市民病院 浅野 昭裕 先生
Borthopedics:足関節OAについて 平成医療専門学院 長田 瑞穂 先生
※症例
足関節OA(保存療法):和田内科病院 林 修司 先生

 palpationについてはmortiseを中心に行った。下腿天蓋と距骨関節面との位置関係を確認した。意外と上方にあることが実感できた。距骨の誘導をするためにはこの位置関係が重要である。背屈制限因子として重要な組織であるTP・FHL・FDLは踵骨載距突起周辺に位置することから、この部位についても位置関係を確実にしたおきたい。また同じ距踵関節にて重要な部位として足根洞がある。この部位は神経の通り道として重要であるが、それと後足部・前足部の変形に伴う痛みが重要になってくる。また踵骨についても位置的には外側によっていることも実感できた。足関節は特にOA等で変形した状態で触診するとよりわかりにくくなるため、疾患のない状態の足関節にて先ずはイメージを作りたいところである。

 足関節周辺のedemaに対する対策としての圧迫方法について実技講習を行った。方法としてはアンダーテープおよびテーピングにて足関節周辺を巻き、内果・外果・距腿関節・アキレス腱を結んでトレースする。そして、その線に沿ってテーピングをカットする。そうするとW様の形をした型紙ができあがる。これよりスポンジ等の厚めの素材で同様の形を作り、それを足関節周辺に当てて男性包帯で圧迫することで凹部の圧迫を可能にし、より有効的な結果が期待できるものであった。edemaに対する圧迫は普段から行われてはいるが、より詳細に行うことで結果に大きく関与することが学べたのではないか。

 整形外科的な内容として症例に合わせてOAが説明された。状態として分類、治療法が紹介された。X-p上の骨形態に関して内反角の評価も紹介された。OAには大きく一次性と二次性に分かれるが、特に骨折等外傷後に起こる変化は足関節周辺のみではなく広くalignmentに関与することに留意する必要がある。分類についてはX-p上からのもので、境界線はつかみにくいが、知識としては知っておくと良い。治療については、様々な治療法が説明されたが、実際のところ、保存の場合は装具療法が中心となるが、骨関節alignmentを詳細に評価した上でトライする必要がある。観血的には骨切を経験した会員はおらず、詳細はつかめなかった。TAAについては当方でも経験があるが、まだまだ発展途上の感がある。固定術については経験があるが、これについてはどちらかというとsarvageと捉えられるため、その他のものとは多少考え方が違ってくると思われる。足関節は特に歩行に大きな影響を与えるため、歩行するにあたっての関節の状態を距腿関節に留まらず、距骨下関節やその他の関節との一群の関連として捉えられる目が必要になってくる。

 症例は80歳女性の両変形性足関節症であった。保存にてfollow中であったが、ROM、裸足歩行、足底板装着時歩行についてVTRにて呈示された。詳細はレジュメに譲るが、背屈角度としては5度、外返し不可、MMT3レベルであった。歩行については裸足では後足部の内反傾向が見られた。膝の外側動揺は見られなかった。足底板装着では逆に不安定性が増悪しているように見られた。足底板については内側15mm、中央10mmで作成してあった。検討の結果からは、先ずは簡単に補高を作るといった意見もあったが、それだけでは不十分であると言った意見があり、最終的に呈示されたのは踵部外側後方を持ち上げることで後足部の矯正と背屈制限の代償を作り、更に内側アーチがつぶれないように保持する目的でカウンターとして内側アーチを挿入するという意見であった。非常に詳細な評価が必要であり、実際の足底板のトライアルについても高度な技術が要求されるが、理論的背景を伴った経験を積み重ねることで解決されていく問題である。積極的に臨床の場面に取り入れていけることを期待したい。
                            (文責:国立名古屋病院 岸田 敏嗣)