第107回整形外科リハビリテーション研究会報告
於:2001.10.20  名古屋法律経済専門学校

clinical palpation:足関節周辺靱帯    吉田整形外科病院  林  典雄 先生
lecture      :踵骨骨折について   碧南市民病院    加藤 康吉 先生
症例        :踵骨骨折 2例    吉田整形外科病院  大久保 佳範 先生


 palpstionは足関節周辺の靱帯ということで、脛距・脛踵・距腓・踵腓靱帯、載距突起、足根洞を中心に行われた。何度も行っている部位でもあり、再確認されたが、確実に触診できるには更なる個人的な探求が必要であるように感じた。実際の臨床にて使えるようになるためには、やはり確実な触診は不可欠であり、これは何より個人が意識して復習していき、身につけていくものであることが痛感された。

 lectureは踵骨骨折について行われた。資料が多く、詳細にまとめられていた。解剖の確認等基礎的内容がなされた後、疾患論が行われた。基礎的な部分においても神経・脈管等は苦手な部分であり、再度確認しておく必要がある。heel padについても痛みとの関係などが質問され、神経は分布していないことが確認された。骨折については、X-p、MRI等の画像診断について説明された。撮影方法や、画像の読み方が実際の図を使用して説明された。また分類についても説明された。Essex-Lopresti分類、Arnesen分類、Watoson-Jones分類、Paley分類、ベーラー分類、Rowe分類、Soeur分類、神中分類、Standers分類、Eastwood分類、CALCIS分類が紹介され説明がなされた。多くの分類があるが、多くの場合は舌型・陥没型・粉砕型が中心となっている。治療法についてはWesthues法、plate固定、螺子固定等が説明された。各々に特色があり、症例や主治医によって様々な方法が行われている。今回の呈示された症例はWesthues法が行われていた。踵骨骨折において問題となる最大の要因が疼痛である。それらの原因となりうる要因について説明がなされた。多くの場合は距骨下関節に由来するものが多いと思われた。それらを考慮した早期からの理学療法が求められている。当然足底板といった装具を利用した治療も重要になってくるため、それらの知識についても再度確認しておく必要性が示された。

 症例@は54歳男性の転落にて受傷した踵骨骨折であった。治療は保存であり、insoleの作成を行っていた。X-p上では多少変形が見られたが、手指の運動やedema除去といった基本的な治療を行った結果、ROM制限も無く、歩行も1km行っても疼痛がない状態で、優秀な成績であった。この症例については問題が無く報告の形で行った。 

 症例Aは58歳男性の転落にて受傷した踵骨骨折であった。治療はWesthues法が行われ、gyps固定後リハ開始されていた。詳細はレジュメに譲るが、@同様治療を行った結果最終的にはROM制限はなかったが、歩行時に疼痛が出現すること、更には足関節背屈位では下腿三頭筋はMMT4レベルあるものの、底屈位では2レベルとなってしまい、手指屈筋群については関節肢位に関係なく、1レベルと筋収縮が発揮できない状態であった。検討はその2点について行われたが、原因追求が非常に困難であった。疼痛についてはX-p上変形が認められることもあり、距骨下関節由来であろうと考えられたが、筋出力については原因が不明であった。癒着が考えられたが、検査上癒着は認められなかったとのことで、今後の課題とされた。神経的抑制も考えにくく、現在難渋している症例であった。同様の踵骨骨折であっても、症例ごとに症状が違うこと、X-p上から読みとれる情報が必ずしも疼痛などの症状に反映されているとは限らず、様々な方法で多角的に評価していく必要性を痛感させられた。今後の結果報告を期待したい。
(文責:国立療養所鈴鹿病院 岸田 敏嗣)