133回整形外科リハビリテーション研究会報告

2004.04.17 於:名古屋法律経済専門学校

症例 膝蓋腱断裂          土浦協同病院     橋本 貴幸 先生        左足関節脱臼骨折       平針かとう整形科    岡西 尚人 先生
   

 症例1 46歳男性。走り高跳び中にベリーロールの踏切時に受傷。腱縫合およびwiring施行し、翌日より90度制限での屈曲およびセッティング、装具装着にてSLRを開始。現状においてはROMは目標には達しているが、治療の検証と今後の方針について検討された。過負荷になっていないか、現状でいいのかどうかが中心で話し合われたが、実際に経験された先生が少なかったこともありなかなか詳細が分かりにくかったようだ。縫合部は少なくともwireで張力を制限していわゆるstress thealdingになっているため、腱の成熟としては時間がかかることと、そのwireの強度としては当然通常の腱と比較にはならない。そのため屈曲制限を守るのは重要であると考えられる。手指の腱断裂術後でよく言われるが、腱断裂後は関節可動性が少々固い方が良く、柔らかい場合は逆に注意が必要である。この場合も成熟するまではある程度制限下に行うのは定石で現状での進め方は特に問題はないと考えられる。負荷についても現状で問題はないと考えられた。長期的に見てpatella altaに移行する場合があることを考慮した進め方が必要であると考えられた。 

 症例2 58歳女性。スキーにて立っていたところに左後方からスノーボーダーが突っ込んできて受傷。SERW型と考えられた。opeはk-wireおよび螺子固定であった。術後は底屈25°でギプス固定される。術後4Wより当院にて理学療法開始となる。初診時所見は浮腫が下腿遠位から足趾にかけてあり、色調は全体的に赤黒く、可動域は底屈35°背屈−25°、スパズムは深層屈筋に認めた。筋収縮に伴う足趾関節運動は可能であった。治療内容としては浮腫軽減、深層屈筋群の収縮とストレッチ、後方関節のストレッチ、wipe
 ex、荷重を利用した可動域訓練(背屈制限が著明のため補高くつ利用)を実施していた。背屈可動域の推移は-25°、5wで−5°〜0°(部分荷重15キロ開始)、6wの現在で0°〜5°で、検討としては今後の治療方針についてであった。骨折が重症ではあるが整復はできており、経過も比較的しっかりとしている。検討結果として浮腫に対する処置を早期からしっかりと行う。質問でもあったが骨の凹凸を考慮して確実に凹部分に対してしっかりと圧迫がかかるように工夫していく。筋に対しては特に長母趾屈筋については筋腹が後果骨折部の上方部付近まであるといった特徴から出血後の炎症の波及が大きいと考えられるため、早期からの十分な筋収縮や腱の滑走を維持しておきたいと説明された。また後方関節包のストレッチや訓練後の持続ストレッチを目的とした固定法等が説明された。荷重においても重心線を背屈方向のモーメントが発生するように補高にてコントロールしたりといった方法論が説明された。その後も経過としては良好な経過をたどっているとのことであった。

                                      (文責:国立療養所鈴鹿病院 岸田 敏嗣)