135回整形外科リハビリテーション研究会報告

2004.07.10 於:名古屋法律経済専門学校

症例1 30歳 女性 臼蓋形成不全 手術:ROA
 先天性股関節臼蓋不全があり、約2年前より股関節痛出現。約9ヶ月前にRAO施行。約7週後退院し、月一回リハ受診。術後約7ヶ月で演者病院受診しリハ開始となる。初診時hip屈曲80度、外転5度、内転15度、外旋10度、内旋10度、Thomas test15度、MMT2〜4。T-cane歩行。破行あり。リハ継続2ヶ月後の現在hip屈曲95度、外転15度、内転25度、外旋25度、内旋20度、hip伸展位での外旋20度、内旋55度、Thomas test10度、MMT3〜4。破行あり。術後長期経過しているが、運動時痛と可動域制限、RAO術後のリハにおける注意点等が検討された。グループからの意見では股関節可動域制限、特に伸展制限からくる破行が強くみられたため、可及的に改善を試みる必要性があげられた。筋力についても可動域に合わせて十分な筋活動が出るようにしていく必要性があげられた。RAOについては経験者が少なく、opeとして特別な注意点はあがらなかった。まとめとしてこのopeの目的が確認され、若年齢層に適応するopeであり、人工物ではなく自分の組織で修復させるもので、最終的にはADL上問題なく歩行等が行われるようにしなければならないことが確認された。股関節可動域制限については制限因子の特定をする必要があるため、先ず疼痛が股関節自体由来なのか、可動域制限からくる二次的な仙腸関節由来のものかを鑑別する必要性が実技を含めて説明された。どちらの場合であっても治療対象は股関節周囲組織になるため、具体的な治療方針についても実技をふまえながら説明がなされた。股関節は可動域制限が出ても、なかなか追求されにくい関節ではあるが、歩行等全身に影響を与えやすい関節でもあるため、可及的に原因を追及して、対処できるようにしていきたいものである。RAOだからと構えずに、頸部骨折やOAに対するCHSや人工骨頭、THAにおいても考え方は共通していることを踏まえてあまり術式に振り回されないように対処していきたい。

症例2 55歳 男性 右踵骨骨折(Essex-Lopresti分類 Tongueタイプ) 手術:経皮ピンニング
 高所から転落して受傷。他院にて経皮ピンニング施行。その後約6週casting施行。除去後装具装着にて歩行開始。その後演者病院にてリハ施行。受傷後約9週経過後の現在、果部周辺の浮腫が見られ、筋の萎縮あり。踵骨足底部に疼痛あるが、ROMは背屈で若干の制限があるのみであった。足底板を処方するポイントと今後のリハについて検討された。グループからはcastingが通常よりも長いため、disuseが強いこと、骨折によるものよりも受傷後の安静による二次的な制限因子が大きいと考えられるため、それに対する対処が重要とのことであった。まとめとしては、今後の疼痛対策に対して足底板の処方について説明がなされた。しかし、あくまでも足底板は現状の疼痛による歩行障害を改善するためのものであり、特効薬ではあるが、それありきではだめであることを確認しておきたい。最終的に獲得できないところを補助するには大変有効な手技ではあるが、先ずは可及的に我々が改善を追求して治療することが重要であることを忘れないようにしたいものである。                           (文責:国立療養所鈴鹿病院 岸田 敏嗣)