141回整形外科リハビリテーション研究会報告

2005.03.12 於:名古屋法律経済専門学校

症例1 78歳女性  右OAに対するTHA施工後大転子部偽関節
 
 セメントレスTHAを大転子骨切して施行。その後2回脱臼。その後外転装具装着しリハ再開。T-caneにて退院後大転子の離開が進行し、大転子骨接合術+骨移植施行。外転装具にてリハ施工中。DrよりROM、筋トレ不要でSLR禁止。ギャッジアップとその後歩行訓練のみの指示がある。今後の方針について検討された。検討と言っても訓練自体に制限があるため、現状ではできることが少ない。先ずはDrに確認をして確実に禁忌事項と運動可能な内容を詳細に確認することが必要と考えられた。Drとの関係をいい状態で確立することも重要であるとのこと。今回の場合はTHA自体のope手技にも問題はあると考えられた。年齢的にもセメントレスにする必要性があったのかどうかといった疑問も残る。少なくともギャッジが可能であればそれに合わせたROMは可能ではないかと考えられた。ope中のROMの確認、dynamicな関節状態の確認が今回は不十分であるため、術後のリハに有効な情報が少ないといった状態になっているため、今後のためにもDrとルーチンに確認するべき項目を事前に確認し合える関係の構築の重要性も示唆された。まだ最中で、外転装具の除去時期、軟部組織の固定性や筋力の問題など今後確認しなければならないことが多いと考えられた。長期的なフォローが必要であり、逆にその情報が今後の治療提供に有意義な情報が得られることもあるため、長期的結果を呈示していただきたい。

症例2 58歳女性  右上腕骨頚部骨折

 転倒にて受傷。整復して三角巾バストバンド固定にて保存で加療され、6週弱でリハ開始された。今後の方針について検討を行った。フロアからは骨折部がX-p上不安な部分があるため、骨折部を確実に把持した状態でstoopingを行う、mildに筋活動を出す、過緊張に対するリラクゼーションを行うことが出された。未だに三角巾を除去したにもかかわらず、自分でスカーフを使用して三角巾の変わりとしていることから、恐がりな、痛がりなパーソナリティも考えられるし、全く別にしびれ感や痛みが牽引刺激によるTOS症状の可能性も否定できないため、ただ三角巾を除去したのだからといった、時期だけの問題にとらわれずに、症状を確実に評価しておくことも必要と考えられた。X-p上多少整復が不十分に感じられたが、頚部骨折では許容範囲内かと考えられた。骨折としては血行が保たれていると考えられるため、骨癒合は期待できると考えられた。時期的にはまだ仮骨ができていないが、軟部組織性には固定性があると思われるため、十分に注意しながらstoopingを行っていく事が挙げられた。ただ、闇雲にstoopingを行うというよりも筋緊張や症状に合わせて方法論を選択していけばよいことで、stoopingにこだわる必要はないと考えられた。X-p上で骨頭が落ちていたので逆に拘縮はできにくいことも考えられるため、牽引症状にも注意を払う必要があると考えられた。
 

                           (文責:独立行政法人 国立病院機構 鈴鹿病院 岸田 敏嗣)