149回整形外科リハビリテーション研究会報告

2006.1.21 於:名古屋法律経済専門学校

症例1 60代 男性 右足関節果部骨折、腓骨近位端骨折、開放創
 
 バイクにて乗用車と衝突して受傷。腫脹が強く2週間シーネ固定。その後足趾、膝関節のROMを開始し、受傷後3週で手術施行。内果はscrew固定、腓骨は遠位のみplate固定。脛腓間もscrew固定し、casting。3日後にシーネに変更し1週後にPTB装具に変更。歩行訓練開始となる。術後約3週で脛腓間のscrew抜去して足関節ROM開始した。その時点で背屈−20度、底屈30度。膝の肢位に影響は受けていなかった。現時点で背屈−10度、底屈35度でedema残存し、皮膚から皮下にかけて硬度を感じる状態であった。今後の治療について検討された。意見としては傷の状態等を考慮すると固定や治療の制限は致し方が無く、制限の中で如何にできることを探して行っていくかが重要な症例であった。edemaが残存していることからも圧迫に工夫を加えて行うこと、筋収縮を使用して筋の柔軟性と滑走性を再獲得していくこと、持続的な伸張を用いることなどが挙げられた。また癒着が考えられるが、評価が不十分なため部位を選別していくことや、後脛骨筋の活動性や滑走性についてももう少し詳細に評価していくことで治療の方向性がはっきりしてくるのではないかとの意見であった。補高も行われているが、角度にちょうど合わせてあるため、方向中には荷重線が関節軸の真上から後方にかかり気味になっている可能性があるため、もう少し余裕を持たせてあげる方が歩行中のアライメントが良くなるとの意見も挙げられた。今後抜釘に合わせて受動術等の可能性も含めて方向性によって現在での対処が変わってくるため、Drとの意見交換も重要と思われた。特に開放創があり処置に制限が出る場合は通常よりも遅れることが多いため、それぞれの時期で邪魔をしないで積極的に治療に参加できる方法を検討していく重要性が再確認できた。
 

症例2 40代  女性  右肩関節拘縮(受動術・関節鏡術後)

 約1年経過した肩関節拘縮の症例で、約3ヶ月治療を施行したものの、140度程で停滞したため、Dr相談して受動術および関節鏡による形成術を他院にて施行した後の状態が呈示された。各ポジションでの外旋は全て改善しており左右差は見られなかった。各ポジションでの内旋は全てに制限が見られた。挙上は150度程度であり、外転も同様であった。結滞動作はTh8レベルで疼痛は無かった。VTRにて現在の状態を確認した上で制限部位を討論すると共に現象とのすり合わせを行った。原因部位としては現象から後方組織の柔軟性低下であることは明白であった。また比較症例として頚部骨折で外転内旋位を長期間取っていた症例の各ポジションにおける内外旋角度を見ると、外旋は制限があったが、内旋は健側よりも過剰にあった。その症例では屈曲160度程度で早期に終了となっていた。この対照的な2症例を経験したことから140度以降の挙上には後方組織が如何に関与しているかが示唆されており、早期から確実に治療をしておかないと苦慮する可能性が高いことが示された。今回の症例の場合は手術にていわば人工的に作られた状態ではあるが、非常に重要なヒントを示していると思われる。治療に対しても方法論の選択や技術レベル等クリアしなければ行けない内容はあるが、少なくとも評価をする際に重要な意味を持つことが再確認できた。

                           (文責:独立行政法人 国立病院機構 鈴鹿病院 岸田 敏嗣)