151回整形外科リハビリテーション研究会報告

2006.3.18 於:名古屋法律経済専門学校

症例1 30代前半 女性 右肩鎖関節脱臼 Tossyの分類 Grade 3
 
 転倒し受傷。他院にて8日後にWolter plate施行し、報告者の病院にて術後15日後より理学療法開始となる。Ope情報として担当医からの情報はなく、肩鎖靱帯・烏口鎖骨靱帯の処置については不明であった。プレートの抜去予定は、術後6か月との説明が患者には、あったようである。
 手術後、約1か月を経過した時点での臼蓋上腕関節には、大きな制限は認めらず、肩甲骨の動きを止めて肩鎖関節を保護しpassiveもしくはactive assistiveの可動域練習が行われていた。検討内容は、今後の理学療法のスケジュールについてである。
 理学療法を進める上での基本的な考え方は、Drに肩鎖関節の靱帯をいかに縫合したか確認し、プレートの抜去までの間、肩鎖関節に余分なストレスをかけず、臼蓋上腕関節を維持するかということになる。積極的な可動域練習は、抜釘後ということになるが、挙上などの最終域には、弱いところ(本症例では肩鎖関節)にストレスが集中するため、そこを注意して行わなければならない。今後の奮闘を期待したい。

 
症例2 69代後半 男性 右化膿性膝関節炎

 昨年末 他院にて膝関節痛によるinjection施行され、1週間後プンクされ混濁液にて右化膿性膝関節炎と診断された。新年になり抗生剤投与され、鏡視下にて洗浄がおこなわれた。その後1か月半後に、受動術が施行され、CPMが施行されていたようである。
その後、報告者の病院を受診し理学療法が開始された。
 初診時の可動域は、-25〜70°であり、膝蓋骨周囲の腫脹・タイトネスが存在しVMの萎縮が著名であった。VIや膝周囲の軟部組織へのアプローチによる1か月間の理学療法により可動域は、-20〜95°まで拡大したが、伸展方向へ制限に難渋していた。膝窩筋・大腿二頭筋やLCL・MCL・膝蓋支帯・infra tissueが拘縮の原因と考えられ、運動時の膝蓋骨周囲の痛みも認められた。
 伸展制限に対して、膝窩筋や大腿二頭筋の伸張性を確保し、靱帯・関節包に対するアプローチを基本に考え、超音波・夜間装具・ホームエクササイズなどを行ってはどうかといった意見がでた。また、可動域が少しずつ改善しただけで終わるのでなく、膝蓋骨周囲の柔軟性を出し、そこまで引ききるための四頭筋の出力をだす練習が必要であるとの指摘がなされた。
非常に困難な症例であり、是非とも再度の報告をお願いしたい。
                                            (文責:桑名市民病院 松本 正知)