163回整形外科リハビリテーション研究会報告

2007.8.18 於:東桜会館第2会議室

症例1 14歳代 女性 膝内障

 本症例は剣道を行っている女性で、半年前から両膝に疼痛を自覚し始め、現在では階段昇降、剣道での踏み込み、躑踞、正座などで疼痛増悪した。全体像は胸椎後彎増強、肩甲骨下方回旋、腰椎前彎増強、squinting knee capsが見られた。膝のROMに制限はないが、maxにて疼痛が出現した。圧痛はMPFL、膝窩筋、鵞足に見られた。フットプリントでは両側扁平足傾向が見られた。その他の所見としてはFriberg、内転SLR、G-H関節内転に制限が見られた。歩容に関してはビデオにて確認した。それぞれの情報を元にグループディスカッションを行った。フロアからの意見としては、下腿の内旋に対して外側の外側広筋の強化や、股関節の柔軟性、軟部組織・神経の滑走を出していくこと、骨盤の前傾を改善すること等が挙げられた。ビデオから観察された歩容から、少なくとも左右で病態が違うと捉えられた。左に関しては一般的な下腿内旋で後足部が回内してアーチが低下しており、FTAもX-beinとなっており、膝周辺の軟部組織アライメントは修正する必要はあるが、アーチサポートを処方することで比較的簡単に改善が期待できると考えられた。右についてはフットプリントにてアーチが低下しているように見えたが、歩容を見る限り、後足部は逆に回外しており、下腿は外旋し、重心が外側に移動した状態で、立脚後期に重心を維持するために前足部が内転して支えている状態であった。toe offでもFHL・FDLが聞いていない状態であった。そのため膝周辺の軟部組織アライメントを修正することは当然のこととして、インソールとしては左と違い、確実に後足部を直立化するように誘導すると共に、重心の移動を内側に誘導すること、FHL・FDLの活動が出るようにパッドを工夫することが挙げられた。剣道をしていると言うことで、右を前に出して動きを受け止める為、余計toe inして重心が外側に流れやすい状況にあったと考えられた。今回は情報と歩容が完全に一致しておらず、解釈が混乱した可能性もあるが、先ずは動作分析をすることで評価をする必要があり、情報を取捨選択する必要がある。当然詳細な評価が必要であることは間違いないが、評価結果に動作分析を当てはめてしまうようなことのないように、動作分析と患者の主訴を重要な情報として評価していくように心がけていきたい。マクロでの評価とミクロでの評価が上手くマッチするようにしていきたい。

(文責:国立病院機構東名古屋病院附属リハビリテーション学院 岸田 敏嗣)