246回整形外科リハビリテーション研究会報告

2017.2.18 於:オフィスパーク伏見 りそな名古屋ビル
            


足関節果部骨折後に歩行時前外側部に疼痛を訴える一症例

症例は50歳代の男性である。診断名は左腓骨頭骨折、左足関節後果骨折である。Lauge-Hansen分類Type3だった。現病歴は、平成2812某日、段差に踏み外し前足部が回外位の状態で下腿に回旋力が加わり受傷、翌日当院を受診した。画像所見では足関節CT画像にて後果骨折の他に、遠位脛腓靭帯付着部剥離骨折が確認された。経過は、受傷翌日から1wギプス固定、受傷2w目からシャーレに変更、受傷4w目に全荷重開始となった。しかし、全荷重開始後から歩行時に足関節前外側部痛を訴えた。

主訴は、歩行時足関節前外側部痛である。圧痛は前距腓靭帯、踵腓靭帯、外果先端、遠位脛腓靭帯、三角靭帯脛舟部、FHLに認めた。さらに叩打痛を遠位脛腓靭帯付着部剥離骨折部に認めた。関節可動域テストは足関節背屈30°、母趾伸展位背屈25°、底屈35°であった。足関節前外側部痛は背屈最終域で再現を認め、また母趾伸展位背屈で増悪し、母趾屈曲位背屈は軽減された。エコー評価では遠位脛腓靭帯付着部剥離骨折部のドップラー反応を健側と比較して強く認めた。さらに、骨折部を同定し荷重下での下腿前傾を行うと遠位脛腓靭帯付着部剥離骨折部と剥離骨片との間で開大する様子が確認された。

 検討項目として「遠位脛腓靭帯付着部剥離骨折部の予想修復時期」「疼痛の解釈」③「現在の禁忌事項」④「不足している評価、運動項目」を挙げた。

フロアからの意見では「遠位脛腓靭帯付着部剥離骨折部の予想修復時期」は、ドップラー反応は炎症ではなく修復によるものであり、レントゲン上で転位を認めないことから修復途中であるとの意見があった。「疼痛の解釈」としては遠位脛腓靭帯付着部の骨片の影響や、前外側軟部組織の癒着による痛みが挙げられた。エコーで骨片の動きがなければ骨片の影響は否定できるとの意見があった。またFHLの拘縮により距骨の後方移動が妨げられ、前外側部の疼痛を増悪させているとの意見もあった。③「現在の禁忌事項」は骨片の動きが確認されれば免荷が必要であるとの意見や背屈位での非荷重位での運動も禁忌にするべきであるとの意見があった。④「不足している評価、運動項目」は遠位脛腓靭帯付着部剥離骨折部が不安定なのか、安定しているのかをエコーで評価する場合、非荷重位で距骨の外旋ストレスを徒手的に再現し、骨片に動きがあるか確認を行う必要があるとご指摘を頂いた。また、現在圧痛を認める前距腓靭帯、踵腓靭帯、外果先端に対し、疼痛の原因をストレステストやエコーで詳細に評価する必要があると指摘を頂いた。さらにEDLfat padの滑走状態を理学所見やエコー評価で詳細に評価をすることで足関節前外側部痛が何由来なのかを絞りこめ、治療方針が定まるとご指摘を頂いた。運動療法の追加事項は、底屈方向への進め方の工夫点として、脛腓間を固定し、骨片を把持した上でEDLのストレッチ、底屈位で等尺性収縮を用いて癒着剥離、底屈位での足内在筋筋力強化、距骨下外反方向の可動域改善をご指摘頂いた。

(校正者:林 優)