251回整形外科リハビリテーション研究会報告

2017.10.21 於:AP名古屋 名駅6F
            


症例提示がなかったため、桑名西医療センターの松本正知先生に、TKA術後の運動療法のポイントについてご講義いただいた。
症例は60代後半女性。他院にてope施行し、術後4週で当院に紹介されて運動療法が開始となった。可動域は屈曲110°、伸展-15°であった。膝周囲の腫脹は強く、疼痛は膝前面周辺に認めた。歩行は杖を使用し、立脚初期から膝屈曲位であった。階段昇降は2足1段であり、手すりを使用していた。
この時点において必要な評価、運動療法をフロアで検討された。屈曲制限のに対しては、術創部皮下の滑走や、筋、PFP、膝蓋上嚢など各組織の癒着を確認し、治療を進めていくこと。伸展制限に対しては、ハムストリングスの緊張や、膝伸展位で足関節背屈させて腓腹筋の伸張性を評価し、治療を進めるとの提案があった。
松本先生のご講義では、まずopeの内容を可能な限り確認しておくこと。PSまたはCR typeの確認。また機種によっては運動時に使う関節面に違いがあるため、その確認が必要。また屈曲・伸展gapの確認、靭帯バランス、侵襲が加わった組織の確認、皮膚縫合後の術中可動域の確認などであった。それらを確認することで獲得できる可動域の予測が概ね可能である。
運動療法では、まず包帯での圧迫やアイシングにて24時間管理で腫脹への対応をすること。足関節や股関節、健側の運動も行うことで、他関節に生じる疼痛の予防をしておくこと。伸展は可動域0°を目指してlagをなくすこと、屈曲は膝蓋上嚢の滑走性を全範囲で維持し、二十膜構造の機能を再獲得しておくことの重要性をご講義いただいた。それらを確実に行えれば、術中以上の可動域が獲得できる可能性もある。跛行に関しては、患側は可能な限り伸展可動域と筋力の獲得を行う。健側の膝関節の機能に着目すること。また股関節、足関節の痛み、筋力低下などにも配慮する必要がある。提示していただいた症例は術後4ヶ月半で伸展0°、屈曲はfullであった。
TKA術後は術中可動域を獲得するのに難渋したり、腫脹や疼痛の残存、跛行が残存したりするケースもある。今回の講義から、TKAの機種や術中所見の確認の重要性、良好な成績を獲得するための運動療法のコツを教えていただいた。今後の治療に生かしていきたい。

(文責:桑名西医療センター 小牧亮介)